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中日对照:构建社会治理共同体的中国密码

2020-09-25多语种党政文献简写本及专家解读文库

构建社会治理共同体的中国密码

社会ガバナンス共同体を構築するチャイナパスワード

当代中国与世界研究院特约研究员、中央党校(国家行政学院)公共管理教研部副教授 张克

当代中国・世界研究院特別研究員、中央党校(国家行政学院)公共管理教育研究部副教授 張克

每一个中国人都生活在一个巨大的社会网之中。承载着14亿人的喜怒哀乐、生老病死的中国社会是如何运行的?为什么中国能够避免“中等收入陷阱”,在实现经济高速增长的同时保持社会长期稳定?中国被认为是世界上最安全的国家之一,这是如何做到的?让我们尝试从2019年10月底召开的中共十九届四中全会的决议中,找找看理解中国社会治理的密码。

全ての中国人は巨大な社会のネットワークの中で暮らしています。14億人の喜怒哀楽や生老病死を乗せた中国社会はどのように運営しているのでしょうか?なぜ中国は「中所得の罠」を回避し、急速な経済成長を達成しながら長期的な社会の安定を維持することができるのでしょうか?中国は世界で最も安全な国の一つと考えられていますが、これはどのようにして実現したのでしょうか?2019年10月末に開催された中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議の決議から、我々が中国の社会ガバナンスを理解するためのパスワードを見つけてみましょう。

中共十九届四中全会通过了《中共中央关于坚持和完善中国特色社会主义制度、推进国家治理体系和治理能力现代化若干重大问题的决定》。决定认为,社会治理是国家治理的重要方面,必须加强和创新社会治理,完善党委领导、政府负责、民主协商、社会协同、公众参与、法治保障、科技支撑的社会治理体系,建设人人有责、人人尽责、人人享有的社会治理共同体,确保人民安居乐业、社会安定有序,建设更高水平的平安中国。这一大段表述回答了14亿人口共同体的社会治理秘诀,归根到底就是六个字“共建、共治、共享”。

中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議では、『中国の特色ある社会主義制度の堅持と整備、国家ガバナンスのシステムと能力の現代化の推進における若干の重大な問題に関する中共中央の決定』が採択されました。本決定では、社会ガバナンスは国家ガバナンスの重要な点であるため、社会ガバナンスを強化・刷新し、党委員会のリーダーシップ、政府の責任、民主的協議、社会的調整、公衆の参与、法的保障、および科学技術のサポートをまとめる社会ガバナンスシステムを整備し、全ての人が責任を持ち、全ての人が責任を果たし、全ての人が共有する社会ガバナンス共同体を建設しなければならず、人々が安心して暮らし、楽しく仕事をすることと、社会が安定して秩序を保つことを確保し、より高いレベルの安全な中国を築いていくと打ち出しました。この長い説明は、14億人の人口共同体における社会ガバナンスの秘訣について答えています。それはつまり、「共建、共治、共享(共同建設、共同ガバナンス、共有)」という6文字です。

一、中国有个枫桥镇,化解矛盾传经验。20世纪60年代初,越来越多的中国人开始知道浙江省绍兴市诸暨县枫桥镇,那里的人创造了依靠当地民众就地化解矛盾的“枫桥经验”。“枫桥经验”的精髓,就是民事民议、民事民办、民事民管,小事不出村、大事不出镇。60年来,“枫桥经验”被推广、被复制、被应用、被演化,形成了一种以调解化解矛盾的基层治理模式。比如,枫桥派出所老杨调解中心的杨光照,就是远近闻名的调解高手。从2010年至今,他靠着自己通讯录里100多名“得力助手”——来自枫桥社会各界愿意为调解纠纷出力的热心志愿者,受理事件2100余起,调解成功率和当事人满意率分别达到98%和100%,所涉8600余万元调解款全部兑现,成为化解邻里矛盾的“金字招牌”。这种把日常生活中碰到的烦心事和小矛盾化解在基层的能力和经验,使中国社会的公共安全得以维系和保障。

2020年1月开始,一场新冠肺炎疫情席卷全球。疫情发生后,中国政府果断采取了停工、停学措施,中国人自觉履行公民义务居家隔离长达1个多月。尤其是武汉等疫情严重地区的老百姓长时间自我隔离,难免有些情绪宣泄。2020年3月5日,中国为应对疫情向武汉派出的中央指导组到青山区翠园社区实地察看社区防控和群众生活保障情况。有居民透过窗户大喊,“假的,假的”,称社区物业假装让志愿者送菜送肉给业主。后经查证,居民反映的问题实际上是小区业主认为停车收费过高、漏水房屋维修不及时,开窗喊话是为了表达对物业公司服务质量不高的不满,并不是针对政府和社区志愿者。对于这件事,负责物资配送的社区志愿者吴晓琼觉得有些委屈,但她说“居民闷在屋里这么久了,有点怨气很正常,不能埋怨他们。相反,大家都应该更好地去关心关爱他们。”武汉市、青山区两级政府在现场发现问题后,立即组织物业公司、社区干部和志愿者及时回应业主诉求,迅速解决了社区内部的小纠纷。

一、中国にある楓橋鎮の、矛盾解決の経験を言い伝える。20世紀60年代初頭、より多くの中国人が浙江省紹興市諸曁県楓橋鎮という町を知り始めたのは、その町の人々が地元住民の力によってその場で矛盾を解決する「楓橋経験」を生み出したからです。「楓橋経験」の真髄は、民衆による民事相談、民衆による民事処理、民衆による民事管理で、小さな事は村の中で、大きな事は鎮の中で解決するというものです。過去60年間に、「楓橋経験」が普及し、複製・応用され、進化し、仲裁を通じて矛盾を解決する末端のガバナンスモデルを形成しました。例えば、楓橋派出所楊さん仲裁センターの楊光照氏は名のよく知られた仲裁の達人です。2010年から今まで、自分のアドレス帳に記録している100数名の「有能なアシスタント」――楓橋の社会各界の紛争仲裁に貢献したいという意欲のある熱心なボランティアに頼って、彼は2,100件以上の案件を受理し、仲裁の成功率と当事者の満足度はそれぞれ98%と100%に達し、関連の8600万元余りの仲裁金は全て現金に換えられ、近隣紛争を解決する「一枚看板」になりました。日常生活で直面した悩み事や小さな矛盾を末端で解決するこの能力と経験が、中国社会の公共安全の維持と保障を可能にしています。

2020年1月から、新型肺炎の感染症が全世界に広がっています。感染症が発生してから、中国政府はいさぎよく休業、休校措置を講じ、中国人は自覚的に公民義務を履行して在宅隔離を1ヶ月以上も続けてきました。特に武漢など感染拡大の深刻な地区では民衆は長期間自己隔離を続けてきたので、不満をもらしてしまうのは避けられない状況でした。2020年3月5日、中国が感染症対応の為に武漢へ派遣した中央指導チームは青山区翠園コミュニティでコミュニティの感染予防・抑制と大衆生活保障の状況を現地視察しました。ある住民は窓越しに「嘘!嘘!」だと叫び、コミュニティの不動産管理業者がボランティアに野菜と肉類を住民に届けさせるふりをしているという不満をもらしました。その後の調査結果によると、住民が示した問題点は実際のところ、住宅団地の住民は駐車料金が不当に高く、水漏れの家屋修理に速やかに来てもらえないと感じていて、窓から叫んだのは、不動産管理業者のサービスの悪さに対する不満を伝えるためで、政府やコミュニティボランティアに対するものではありませんでした。この件に関し、物資配送を担当するコミュニティボランティアの呉暁瓊氏は少し残念だと思いましたが、「住民達は自宅に長期間閉じこもっているから、多少なりともイライラするのは当たり前だろう。彼らを責めてはいけない。逆に、人々はより一層彼らの事を気にかけるべきだ。」と述べました。武漢市と青山区の両級政府は現場で問題を発見した後、直ちに不動産管理業者、コミュニティ幹部と、ボランティアを集めて速やかに住民達の要望に応え、コミュニティ内の小さな紛争を迅速に解決しました。

二、人民群众齐参与,扎密平安防护网。近年来,中国多次被评为世界上最安全的国家之一。一位用15个月的时间沿着长城从中国西部的嘉峪关走到东部山海关的阿根廷徒步爱好者告诉媒体,在4000多公里的旅途中,不管是在城市还是在郊野,从来没有遇到过抢劫、盗窃等任何危险的事情,所有中国人都非常热情友好,并且脸上都洋溢着幸福的笑容,中国是世界上最稳定、最安全的国家。

中国人的安全感从何而来?不仅来自对政府治理能力的信心,更来自于身边的安全守护者——平安志愿者。这些平安志愿者有着不同的群体名字,干着相似的事情。其中,北京市西城区的平安志愿者团队成立于2008年,目的就是号召辖区居民志愿参与平安社区建设。目前,西城区已有实名注册志愿者5万多人,平均每百人中就有5人。他们以治安巡逻的方式,承担着反恐防爆线索提供、重大安保活动的社会防控,以及社区的应急处突、邻里守望、民意收集、隐患排查、矛盾调解、秩序劝导、特殊困难人群帮扶、环境服务等任务,有效预防了违法犯罪活动,维护了社会和谐稳定。

新冠肺炎疫情发生以来,为充实基层社区防控力量,让长期值守的社区工作者和志愿者得到轮休,北京市广泛动员民众参与疫情防控,特别是迅速抽调7万余名机关企事业单位人员下沉到社区、农村,参加一线工作。据统计,北京市共有数十万名楼门长、志愿者、热心群众主动参与疫情防控。“远亲近邻”“守望相助”是中国社会传统观念,这种共同体意识使得中国老百姓真正相信“人人为我,我为人人”,甘愿为守护一方平安贡献自己的力量。

二、人民大衆を共同参加させ、安全の防護網を密に設置する。ここ数年、中国は何度も世界で最も安全な国の一つだと評価されてきました。万里の長城に沿いに15ヶ月間かけて中国西部の嘉峪関から東部の山海関まで徒歩で移動したアルゼンチンのトレッキング愛好家は、約4,000キロの旅の途中、市内でも田舎でも、強奪、窃盗などの危険な状況に遭遇した事は一回もなく、中国人は皆とても親切、友好的で、幸せに溢れた笑顔を見せており、中国は世界で最も安定していて、最も安全な国だとメディアに伝えました。

中国人の安心感はどこから来るのでしょう?政府のガバナンス能力に対する信頼からだけではなく、更には身近な安全守護者――「平安ボランティア」から来ているのです。これらの「平安ボランティア」はそれぞれグループ名がついていますが、似たようなことを行っています。その中でも、北京市西城区の平安ボランティアチームは管轄区域内の居住者が志願して安全なコミュニティの建設に参加するよう呼びかける目的で2008年に結成されました。現在、西城区には実名登録しているボランティアが約5万人いて、平均で住民100人あたり5人のボランティアがいます。 彼らは、治安パトロールの方式で、テロと爆発防止に関する情報提供、重要な安全保障活動の社会的予防・抑制、およびコミュニティの緊急対応、近隣の見守り、民意の聞き取り、潜在的な弊害の調査、紛争の仲裁、秩序の勧告指導、特殊な困難を抱える人々への援助、環境サービスなどの任務を担当しており、違法な犯罪行為を効果的に予防し、社会の調和と安定を守っています。

新型肺炎が流行し始めてから、末端コミュニティの感染予防・抑制の力を充実させ、長期にわたって当番を務めるコミュニティのスタッフとボランティアが交代で休めるようにするため、北京市は広範囲に人々を動員して感染予防・抑制の取り組みに参加させ、特に政府機構、企業、および公的機関から7万人余りを振り分けて速やかにコミュニティ、農村へ派出し、第一線の業務に参加させました。統計によると、北京市では数十万人の住宅ユニットのチームリーダー、ボランティア、熱心な民衆が自発的に感染予防・抑制の取り組みに参加しています。「遠くの親戚より近くの隣人」、「見守って助け合う」ということは中国社会の伝統的な考え方であり、この共同体意識により、中国の人々は「皆は私の為、私は皆の為」という考えを心から信じ、自ら進んで地域の安全を守るために貢献しています。

三、应急管理一盘棋,公共安全有保障。在中国人的社会治理实践中,维护公共安全既是重中之重,也是政府的职责所在。中国把公共安全的范围限定为涉及自然灾害、生产安全事故、公共卫生事件以及社会安全事件等四类突发事件的预防、处置和重建。中共十九届四中全会对国家公共安全体制机制建设作出周密安排,特别强调构建统一指挥、专常兼备、反应灵敏、上下联动的应急管理体制,优化国家应急管理能力体系建设,提高防灾减灾救灾能力。在此之前,中央政府还新组建了国家应急管理部,整合了分散于国家安监总局、国务院办公厅、公安、民政等十余个部门的职责,优化重组应急力量和资源,并要求各级地方政府成立应急管理局,由此构建起中国特色的应急管理体制。

这种从上至下的公共安全隐患排查和安全预防控制体系,使得中国在应对重大公共安全事件时表现出与西方治理体系的结构性不同。“全国一盘棋”的响应联动,真正确保了令行禁止、言出法随。新冠肺炎疫情爆发后,中央及各地方及时启动重大公共卫生突发事件响应机制,建立统一高效的指挥体系,中国领导人习近平亲自指挥抗击疫情。中国还成立了中央应对新冠肺炎疫情工作领导小组作为决策指挥机构,建立了包括32个成员单位的国务院联防联控机制,仅仅用了不到2个月时间就成功控制住了境内疫情。世界卫生组织总干事谭德塞感慨,中方行动之快、规模之大世所罕见,这是中国制度的优势,有关经验值得其他国家借鉴。

三、1つの全体とみなして応急管理を行い、公共安全を保障する。中国人の社会ガバナンスの実践において、公共安全を守ることは最も重要なことであり、政府の職責でもあります。中国は公共安全の範囲を自然災害、生産現場の安全に関わる事故、公衆衛生上の事件及び社会安全に関わる事件など四種類の突発事件に対する予防、処置と再建に限定しています。中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議では、国家公共安全体制とメカニズムの構築に対して綿密な配置を行い、統一的な指揮、専門的な力と常備的な力の兼備、敏感な反応、上下連動の応急管理体制を構築することを特に強調し、国家の応急管理能力のシステム建設を最適化し、災害予防・災害軽減・災害救援の能力を高めていきます。これに先立ち、中央政府はまた新たに国家応急管理部を設置し、国家安全監督管理総局、国務院弁公庁、警察、民政などの十数部門に分散していた職責を統合し、応急管理能力と資源を再編・最適化し、各級地方政府に応急管理局の設立を要求し、これによって中国の特色ある応急管理体制を構築してきました。

この種の上から下への公共安全上の潜在的な弊害の調査と安全予防・抑制体制は、中国が重大な公共安全の緊急事態に対処する時、西洋のガバナンス体制とは構造性が違うことを示しています。「全国を1つの全体として捉えた考え」での連動的な対応は、命令は必ず実行し、禁じられた事必ずやめさせることと、法令が一たび発せられたらそれを最初に執行しなくてはならないことを確実に保証します。新型肺炎が大流行し始めると、中央政府および各地方政府は直ちに重大な公衆衛生上の事件への対応メカニズムを始動させ、統一的かつ効率的な指揮システムを確立し、中国の指導者習近平氏が自ら感染症との闘いを指揮しました。また中国は中央新型肺炎対策工作指導グループを設立し、政策決定の指揮機構として、32の機関をメンバーとする国務院共同予防・抑制メカニズムを確立し、わずか2ヶ月以内に国内の感染状況を抑制することに成功しました。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、中国の行動の迅速さと規模の大きさは世界でも前例がなく、これは中国制度の優位性であり、他国は関連の経験を学ぶ価値があると感慨深そうに述べました。

四、众人之事众人办,资源下沉服好务。中共十九届四中全会提出,社会治理和服务重心将进一步向基层下移,让人力、物力、财力等更多资源下沉到一线,确保基层社会群体更好地为民众提供精准化、精细化服务。

湖北省武汉市相当于11个纽约市大,是中国中部的重要工业基地、科教基地和交通大枢纽,也是新冠肺炎疫情最早的爆发地。1月23日,为了有效切断病毒传播途径,遏制疫情蔓延势头,湖北省武汉市全市城市公交、地铁、轮渡、长途客运暂停运营,机场、火车站离汉通道暂时关闭。一个千万级人口的超大城市因疫情“封城”,这在人类历史上还是第一次。交通中断、市场关闭,小区施行全封闭管理,居民在家隔离不得外出,基本生活物资如何供应?社区这个按居民居住地理区域划分的基层组织开始发挥作用,社区党组织、社区居民委员会、社区工作服务站的党员干部、志愿者一齐上阵,负责为居民采购物资、分发配送,充分展现了基层组织在社会治理中的巨大能量。

2020年3月10日,习近平来到武汉市东湖新城社区东湖庭园小区视察,与社区工作者和志愿者座谈。一个多月以来,社区工作者上门入户服务居民,为孤寡老人和残疾人士义务配送爱心物资,还负责居民需求的上传下达和心理疏导。专职社区工作者人手不足,志愿者、党员、市区政府机关企事业单位的下沉干部就一起来当帮手,他们科学分配工作、明晰各自职责,在大家的共同努力下,这个小区的确诊病例停留在32例,获得了“无疫情小区”称号。

中国防控新冠肺炎疫情的另一项宝贵经验是建立方舱医院,目的是接收轻症确诊患者,将已确诊患者与未感染人群隔离开。疫情期间,湖北省武汉市共建成11家方舱医院,提供了1万张床位。这些由活动“房子”建成的“临时社区”,就像是一个个大家庭,医护人员不仅将轻症患者组织起来共同参与方舱内的治疗、管理,还带着患者一起跳广场舞、开生日party,既治疗病痛又温暖人心。

中国领导人习近平认为,社会治理是一门科学,管得太死,一潭死水不行;管得太松,波涛汹涌也不行。要讲究辩证法,处理好活力和秩序的关系。可以说,这是对中国社会治理传统的继承和发扬。中华法系的一大特征是鼓励基层自治政权发挥司法作用,因而中国社会传统里并无报官兴讼之风。比起花大代价去追求精确符合国法条文的“正义”,中国人获得公正的效率高很多,成本低很多。正如北京大学国际关系学院潘维教授所言,律师比医生多,并不代表更先进。这也是为什么改革开放以来,中国不仅取得了显而易见的经济发展成就,也在社会治理领域独具特色的原因。

四、皆の事は皆で処理し、資源を末端に浸透させて良いサービスを提供する。

中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議は、社会ガバナンスとサービスの重点を更に末端の方へ移していき、人的、物的、財政的などの多くの資源を第一線に浸透させ、末端社会組織が民衆へ的確で細分化されたサービスを更にしっかりと提供できることを確実に保証すると打ち出しました。

湖北省武漢市の広さはニューヨーク市の11倍に相当し、中国中部における重要な工業基地、科学教育基地と交通拠点であり、新型肺炎感染症が最初に大流行した場所でもあります。1月23日、ウイルスの伝播経路を効果的に遮断し、感染蔓延の勢いを抑える為、湖北省武漢市は全市の公共路線バス、地下鉄、フェリー、長距離バスの運行を一時的に停止し、空港や鉄道駅の武漢発の路線を一時的に閉鎖しました。人口千万人規模の巨大都市が感染症のために「都市封鎖」されたのは人類史上初めての事です。交通は遮断され、市場は閉鎖され、住宅団地では完全な閉鎖管理を実施し、住民達は自宅隔離になり外出できなくなりましたが、基本的な生活物資はどうように供給されていたのでしょうか?コミュニティという住民の居住地区分によって分けられた末端組織が役割を発揮し始め、コミュニティの党組織、コミュニティ住民委員会、コミュニティサービスステーションの党員幹部、ボランティアが一斉に出陣し、住民のために物資の調達、配分、配送を担当し、社会ガバナンスにおける末端組織の巨大なパワーを十分に示しました。

2020年3月10日、習近平氏は武漢市東湖新城コミュニティにある東湖庭園団地を視察し、コミュニティのスタッフやボランティアと話し合いました。一ヶ月以上にわたり、コミュニティのスタッフは住民宅を訪れてサービスを提供し、身寄りのない高齢者と身体障害者に慈善物資を届け、また住民のニーズを把握して上へ報告して下へ指示を出し、心理面のカウンセリングも行っていました。専任のコミュニティスタッフが人手不足だったため、ボランティア、党員、市の政府機構・企業・公的機関の末端幹部が共に手伝いに来て、彼らが科学的に仕事を割り当て、各自の職責を明確し、皆で共に努力した結果、この団地で感染が確認された症例は32件にとどまり、「感染ゼロ団地」という称号を与えられました。

中国での新型肺炎の流行の予防・抑制におけるもう一つの貴重な経験は、「方艙病院(臨時医療施設)」の建設であり、その目的は感染が確認された軽症患者を収容し、感染が確認された患者を未感染者から隔離する事です。感染流行期間中に、湖北省武漢市内に11軒の「方艙病院(臨時医療施設)」が建設され、10,000床の病床が提供されました。このような移動式の「キャビンルーム」で作られた「臨時コミュニティ」は、一つ一つの大家族のようなもので、医療スタッフが軽症患者を集め、「方艙」内での治療や管理に共同参加させるだけではなく、患者を率いて一緒に「広場ダンス」を踊ったり、誕生日パーティーを開いたりして、病気を治療すると同時に人の心に温もりを与えました。

中国の指導者習近平氏は、「社会ガバナンスが一つの科学であり、あまりに厳しく管理して、停滞してしまうといけないが、管理を緩めすぎて、大波が渦巻いてしまってもいけない。弁証法を重んじ、活力と秩序の関係にうまく対応しなければならない。」と指摘しました。これは、中国の社会ガバナンスの伝統の継承と発揚であると言えます。中華法系の大きな特徴の一つは、末端の自治政権に司法機能を発揮させることであるため、中国社会の伝統には官府へ報告し訴訟を起こすという風習がありません。大きな代価を払って国法の条文に合致する「正義」を追求するよりも、中国人は効率的に、そして低コストで公正感を獲得する事ができます。北京大学国際関係学院の潘維教授の発言の通り、弁護士が医者より多いということは、更に先進的だということを意味するわけではないのです。これは改革開放以降、中国が顕著な経済発展の成果を収めただけでなく、社会ガバナンスの分野でも独自の特色を持っている原因でもあるのです。